私の父は宮絵師と言いまして、宮大工ではなく、神社仏閣に彩色を施す絵師です。
絵具を使って修復、再現などをする職人で、日本全国の神社仏閣に携わってお仕事
してはります。
私が截金を始めたのも父のお仕事柄知ったのが始まりです。
只今父が10年かけて携わってはるお仕事に截金を普通の体制ではない形でやってはる、
と聞きまして、早速観てまいりました。
父は主に絵具を使ったお仕事ですので、截金は専門ではありません。
截金で有名な方々はほぼ女性なのですが、
実は男性截金職人さんも京都には何人もおられます。
皆様大変ご立派に仏さまに截金を施されております。
私がしては?と思われるかもしれませんが、
こんな偉大な父の子供に生まれておきながら、
どうもズレたところでDNAが開花してしまい、
芸術には興味があるのですが、
仏さまや日本の歴史の勤勉さに異常に欠けておりまして、
截金を仏様に施すことや、幾何学文様を考える理数的な頭を持ち合わせておりません。
図案などあれば、勿論できますが、自分から図案を考えたりは全くイメージが湧かず、
また幾何学文様で截金を施すことに何の楽しみも得れず、
截金を習い始めた最初の1年ほどに基礎的な事は学び、天人様を施したり、
幾何学紋様の練習はしましたが、今はもっぱら次々入る個展作品を貯めることだけでも
時間が足りない状況で、自分の世界で表現させて頂いている現実です。
ですので、父の仕事に截金がいるときは、截金職人様に頼んではります。
お父様ごめんなさい。

こちらのお写真の説明ですが、日本一大きな掛け軸だそうです。四幅(四枚)あります。
彩色だけでももの凄く、最初の図案から考え、いわば車を完全手作りで創っている、
そんなようなお仕事だそうです。
千人の人が描かれており、それらにはしっかりとストーリーがあります。
お話を聞いて、父が研究し、再現して図案が漸く完成。
そこにこちらに写真に出ておりませんが、
真ん中に仏さまが入っており、截金が施されております。
仏さまに截金自体は截金を知ってる皆様ですと、差ほど驚くことはありません。
こちらの職人様大変腕の良い方で、綺麗に截金してはるな~と感心するばかり
ですが、注目して頂きたいのは、この体制で截金を施し、
父の彩色側もこの体制で描かれてるということです。
床にはいつくばって、うつ伏せになりながらの作業。
掛け軸の大きさも、もの凄い大きさで、
截金の仏さま自体は手の平から少しはみ出す程度のサイズなのですが、
真ん中に入っておりますので、非常にやりにくい。
体制も大変ですのに、またこちらの工房の寒いこと。
理由は暖かくしますと、絵にダメージが出るらしく、
殆ど暖房のきいてないような部屋で一日中お仕事なさってはるのです。
高校卒業から截金職人に弟子入りし、独立なさってバリバリやられてるこの方ですが、
こんな厳しい環境での仕事は始めてだ、と言っておられました。
少々下世話な御話になりますが、本当に手仕事ですので、
今現代メディアに出てる若者たちの稼ぎ方は、
偉く簡単にお金持になれるような感じにみ受けられるようなところがありますが、
職人仕事、手仕事、こちら利益殆どないんと違いますやろか?とにかく良い仕事をする。
それに皆様プライド持ってはりますから、時間がかかろうと、手間がかかろうと、
採算ど返しが現実だと思われます。

私こちらを観て参りまして、
自分がチンマイ、チンマイニワカ芸術家やと思った2011年の始まり。。。。

はぁ。

しかし裏話は、
このような父と結婚した母が一番大変なのです。
一番私が尊敬致しますのは、母でございます。

母って偉大!

こちらも、ため息で始まります、2011年。

ほんま現実は厳しいですわぁ。