ここ数年時間もなく、全く描かなくなりましたが、10年ほど前は
よくペン画を描いておりました。
当時、東京、アメリカで個展をしたいと思ったのですが、
どこのギャラリーが良いかが全く分からず、若かりし燃えるパワーで
思いついたのが路上でペン画を売ることでした。
お求め下さる方々に截金の作品集をお見せして、本当はこれで個展が
したい、良いギャラリーないか?と連絡先をお渡ししておりました。
実際東京でこれをしまして、その後ロスに飛び、ロス在住中に
メールが来て、東京での初めての個展が銀座三越でした。

やってみるものです。

私が今も尚自分のポリシーにしておりますことが、お金を出せば誰でも
させてくれる会場ではなく、審査のある会場で個展をする、したいと
思った会場は、一度や二度断られても諦めない、ということです。
ですが、截金作品はどうしても路上に置きたくありません。
情報を集めるには路上に座って、
自分の絵に興味を持って下さった方にお尋ねすること、
それで始めたのがペン画でした。

ペン画は截金と違いペンで描くだけですので、私にとってはとても
簡単な作業です。相変わらずスケッチも下描きもなしに描きます。
白いスペースさえあれば、エンドレスにいつまでも描けます。
白い壁の部屋全面に自分のペン画で埋め尽くしたら面白い
アートになるんちゃうやろか、とかも思ったりしますが、とにかく
只今もっぱら截金に追われる毎日です。

私自身なかなかペン画も気に入っており、
昔は截金個展の時に少しペン画も出していたのですが、
お葉書にすると人気で何枚もお求めされるのですが、
額付きの大きなサイズにしますと、どうしても截金の魅力に負けてしまうようで、
結局ペン画は殆どお嫁に行くことがなく、今となっては描く機会も
なくなり、描かなくなりました。

すっかり忘れていたところ、年末の大掃除に出てきたのです。
オツボネさん。

お写真何回撮っても反射して上手く撮れません。
大変絵が見ずらくて、申し訳ないのですが、
目をようこらして見て下さい。

今も我ながら、なかなかええ作品やんと思うのです。

友人に結婚祝いに何が欲しい?と聞くと、よう
言われますのが、「みまちゃんの作品が欲しい」
です。
しかし截金は本当に手間がかかり、365日
個展に間に合わないと言っているような状況で、
プレゼントさせて貰うほどの余裕がありません。
小学校からの大親友にも頼まれておりましたのに、
彼女もう結婚して7、8年になります。
まだお祝の御品贈ることができておりません。

そこに運よく彼女が登場。
何年も前の作品だけど、これでよかったら、と言いましたら、
大変喜んで頂けました。

グッバイ、オツボネさん。良かったね。

タイトルは「出口なき迷宮の郷)」です。

時間がありましたら、ペン画はまた描きとうございます。